機械工学コース
コースの設置に関する背景、コースの概要、社会的ニーズ等
全ての工業製品は機械工学によって製作されています。身の回りの日常製品から遠い宇宙空間の製品まで、大型機械から原子サイズの構造物まで、輸送機械、情報機器、医療機械など全てが機械工学による製品です。物理・化学・生物学的な現象を工学に応用し、新しい学問分野を開拓することも機械工学の重要な使命です。工学の最先端を担っているのは機械工学なのです。機械工学は広い領域を網羅していることから、多岐に渡る業種において、機械工学の専門技術を活かした高度専門技術者として、広範囲に活躍する人材が求められています。
コースの教育プログラムの特徴
本コースは、「プロ」の技術者、研究者を育成することを目的としています。そのためには、数学、物理学などの基礎科目を充分に修得したうえで、機械工学の基盤となる専門科目を学び、さらにより専門化された領域の科目を学びます。そのいずれの学習過程においても、事象の本質的理解と修得知識の応用、論理的かつ柔軟な思考力と計画的アプローチ、システムデザイン能力と自己表現、技術者倫理に基づく責任などを教育目的とします。
専門化された領域として、以下の4つの教育・研究領域が用意されています。材料・強度・変形教育研究領域では、機械に使用する新しい材料の創製・開発や材料特性を評価するための教育と研究を行っています。 材料を機械に使用するためには、製品形状に加工しなければなりません。加工・要素教育研究領域では、新しい加工技術の開発研究や、機械を構成するいわゆる機械要素に関する教育と研究を行っています。システム・制御・生体工学教育研究領域では、ロボットや車両、飛行体、福祉支援機器などの機械システムの知能化・自律化を実現することや、生物の最適運動や生命・生体機能におけるメカニズムの工学的応用を目的とする教育と研究を行っています。環境・熱流体エネルギー教育研究領域では、エネルギーの供給・利用・変換に関わる熱・流体工学の教育と研究を行っています。なお、総括的に特別演習と特別研究を行い、問題発見能力と問題解決能力を養成します。前期・後期課程を通した教育プログラムにおいて、機械工学の基盤となる基礎知識と専門領域の学問を修得し、幅広くかつ高度な研究開発・実用化を促進し得る人材育成を行います。
養成する人材像、進路等
博士前期課程では、機械技術者としての基本能力に加え、高度な知識と自ら問題解決する能力を有する人材を養成します。主な就職先は、機械系、輸送系、電気系などの様々な業種の企業であり、研究職や開発職に就いています。さらに最先端な研究を行う教員のもとで、より一層学究を極めるために、博士後期課程に進学する学生もいます。
機械工学実習
機械工学実験
フラワー状ナノ環境浄化光触媒材料
Mg基長周期構造の
HAADF-STEM像と結晶方位解析
ホイール割断中のガラス内部
複屈折位相差計測
(a)割断・計測装置, (b) 試料上方
から見た位相差分布
ガラス内部での
レーザマニピュレーション
生物規範型羽ばたきロボット
微小血管内で変形しながら
移動する赤血球
~計算機シミュレーションを使った
生体現象の理解と予測~
多指ロボットハンド
エンドスコープによる
エンジンシリンダ内の燃焼観察
電気特性の異なる細胞を
ラベルフリーで高効率に分離可能な
電極積層型マイクロ流路