電気電子工学コース
コースの設置に関する背景、コースの概要、社会的ニーズ等
電気電子工学は20世紀後半から急速な発展を遂げ、あらゆる産業分野に深く浸透した最重要基盤工学として社会を支えてきました。現代社会は電気・電子工学の体系に基づいた技術によって支えられていると言っても過言ではありません。このような社会を持続的に発展させるためには、電気電子工学の高度な知識とその応用力を身につけた上で、他の工学分野や工学以外の異なるバックグラウンドの人材とも協調して新しい技術を創造できる学際的な素養を持った人材が求められています。
コースの教育プログラムの特徴
本コースでは、基礎的学問である電磁気学、回路理論を出発点として、高度情報化社会の根幹を担う情報通信の分野から、文明社会を支えるエネルギー変換とその利用技術、様々な半導体集積回路や材料、最新の電子工学の進展に裏付けられたコンピュータハードウエア、ロボットなどの制御技術、システム解析のための数理的手法など、幅広い分野に関する教育を実施しています。世の中の多くの技術は、電気工学や機械工学を始めとする、複数の基幹工学に立脚した融合技術によって支えられています。したがって本コースでは、電気電子工学における専門知識とそれを応用する能力を身に付けるとともの、同一専攻内における他分野の専門知識を学ぶ機会も有し、旧来の電気電子工学の枠にとらわれない視野の広い技術者の養成を目指します。これらの教育を行うベースである本コースの教育研究組織は、制御システム・電力変換・電気エネルギー変換などの技術を扱う電気システム工学に関する領域、半導体物性・電子デバイス・物理工学などに関する技術を扱う電子システム工学に関する領域、通信工学・波動応用・電子回路・数理システムなどを扱う情報・通信工学に関する領域から構成され、世界トップレベルの教育研究拠点を形成しています。
養成する人材像、進路等
博士前期課程では、電気電子工学における高度な専門性に裏付けられた課題発見・問題解決能力を備え、高度専門技術者としての責任を自覚し、自己の専門分野に立脚した俯瞰的な視点から多様な分野の人材と協調・協働できる人材を養成します。主な就職先は、電気電子機器や自動車などの製造業、電力会社、鉄道会社、通信会社などの社会インフラを支える企業、そして官庁や自治体などの公共サービス分野と多岐に渡っています。また、博士後期課程では電気電子工学における高度かつ深い専門性に裏付けられた俯瞰的視点からの課題発見能力と問題解決能力を備え、創造的な高度専門技術者としての責任を自覚し、自己の専門分野に立脚したリーダーシップにより多様な分野の人材と協調・協働し、技術の発展を先導できる国際性を兼ね備えた人材を養成します。主な就職先は、前述の多様な業界に加え、大学や高専などの高等教育機関の研究教育スタッフなどにも及んでいます。