教育
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数学情報科学専攻

専攻の設置に関する背景等

数学は自然科学の基礎を記述し研究する学問として長い歴史を持ちますが、20世紀中頃の電算機の出現と情報科学の進展により、その適応範囲を大きく広げ始めています。そして、21世紀を迎えた現在、情報革命・ビッグデータ革命・マネー革命が進展し、数学や情報科学の専門家の寄与がこれまで以上に期待されており、数学や情報科学は現代社会を広範に支える基礎として必要不可欠なものとなっています。このような高度情報化社会において、基盤となる情報通信機器の設計やデータ解析などの様々な場面で、数学を用いたモデル化及びそのモデルを用いてコンピュータで処理を行うには、人間の関わりを含めて情報科学の技術が必要不可欠です。しかし、これらの分野は専門家の供給が十分でなく、常に人手不足の状態にあるという現状があり、自然科学の基礎である数学から、現在の社会基盤である情報科学に至るまでの広範な数理情報分野に関して高度な知識と研究能力、問題解決能力を持つ人材が求められています。

各コースの紹介

本専攻は、自然科学の基礎である数学を専門分野とする数学・情報数理学コース、現在の社会基盤である情報科学を専門分野とする情報科学コースの2コースからなります.数学・情報数理学コースにおいては、代数学、幾何学、解析学、確率統計学、情報数理学の先端的な知識について専門教育を行います。また、これらの分野の相互関連の中から、深い研究や他の学術領域との交流が生まれます。このような先端的な知識を有機的に組み合わせた数理的・情報数理的思考の獲得を目指します。

また、情報科学コースにおいては、データ構造、アルゴリズムなどの数理的なものから、信号処理、分散処理、並列処理、ネットワークというコンピュータシステムの基幹部分の教育研究、さらには、言語認識、画像理解、人工知能など、種々の応用、そして言語情報学、形態知覚論、比較認知論などの認知科学・行動科学について専門教育を行います。さらに、両コースの共通テーマに基礎理論的な証明論や検証論、符号理論、情報理論、情報セキュリティなどがあります。両コースの連携により、数学と情報科学の基礎である情報数理学を融合した高度な教育、あるいは数理科学や認知科学を基礎とした広範な情報科学分野を網羅した高度な教育を行い、論理的思考力や数理科学を創造的に活用する力を身につけ、様々な応用工学分野の専門性を養います。

養成する人材像

博士前期課程では、自然科学の基礎である数学から、現在の社会基盤である情報科学に至るまでの広範な数理情報分野に関して先端的で高度な知識と研究能力、問題解決力を持ち、高度情報化社会の基盤を支え各種産業の創出や発展にも寄与できるような、高度な専門性と倫理観を備えた人材を養成します。

また、博士後期課程では、自然科学の基礎である数学分野と、数理科学や認知科学を基礎とした広範な情報科学分野における論理的思考力を培い、数学情報科学を創造的に活用する能力を持つ高度専門科学者としての責任を自覚し、多様な分野の人材と協調・協働できる先導的な研究能力・開発能力・国際性を兼ね備えた人材を養成します。

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