大学院先進科学プログラムに参加して
先進理化学専攻 生物学コース
舘坂 珠季さん
私は現在、薬剤に対して耐性を持つ病原性の真菌(カビの仲間)について、どうして薬が効かないのか、その仕組みを明らかにすることを目的に研究しています。研究で培ったスキルを活かし、将来は医薬品に関わる仕事に就きたいと考えています。
短期で学位を取得でき、経済的支援が受けられるシステムに惹かれ、大学院先進科学プログラムへの参加を決めました。このプログラムでは所属している学生同士が交流する機会があり、専門が異なる方と知り合う貴重な機会となっています。プログラム生の研究のレベルの高さに刺激を受けながら、日々研究に取り組んでいます。
私が現在拠点としている研究室は学生が少ないため、先進科学プログラム生との交流会は同世代の方とお話ができる貴重な機会になっています。短期で学位が取得できるだけでなく、様々な分野の方とお話しする機会があることも、本プログラムの魅力だと思います。
同世代の方だけではなく、博士前期過程で履修する「先進科学セミナー1」では、いろいろな分野の最先端で活躍されている方々のお話を聞く機会がありました。博士後期過程でもこのような分野を横断した内容を学べる授業が履修できるとのことなので、今から楽しみにしています。
また充実した海外渡航支援も、本プログラムの大きな特色です。手厚い支援や相談できる先輩方がたくさんいる環境のおかげで、留学や国際学会に参加する精神的・金銭的なハードルがかなり下がると感じています。私はまだ渡航支援を使って海外に行ったことはないのですが、自分の研究をさらに深めるためにこの支援を有効に使いたいと考えています。
情報・データサイエンス学府
廣瀬 万玲さん
学部4年生のころ、画像暗号化の研究が楽しく博士課程まで進学して研究を続けたいと考えていた中、指導教員から大学院先進科学プロジェクトのことを教えていただき、参加しました。最初は博士前期課程における経済的支援に魅力を覚えていましたが、本プロジェクト独自のカリキュラムを通じ、金銭的なメリットにとどまらず、通常の大学院生活では得られない貴重な経験や知識を得られていると感じています。
さまざまな分野の先生方のお話をお伺いする「先進科学セミナー1」では他分野の動向やニーズ・シーズを理解し、多角的に自身の研究意義を見つめ直す機会になりました。また、「先進科学特別演習1」は後輩の研究指導を行う授業で、論文の執筆指導やディスカッションを通じて、複数人で研究を進める方法について学びました。博士前期課程という早期の段階で指導者としての経験を積めたのは、今後の研究生活における大きな財産になりました。さらに、本プロジェクトでは、「先進科学特別演習2」や「海外渡航支援事業」など申請書を書く機会が多くあります。これらの活動を通じて、分野外の人たちに伝わるように自身の研究を伝える力や意識が養われたと感じています。「海外渡航支援事業」においては5週間のマレーシア留学を支援いただき、留学を通じて自身の知見を広めただけでなく、留学の成果を報告する「海外渡航支援事業報告会」では、先生方や他のプロジェクト生との質疑応答を通じて、自身の研究を俯瞰することができました。
現在、私はAIを用いた高精度な暗号化画像分類の研究に取り組んでいます。将来は、本プロジェクトを通じて得た知識や経験を活用し、社会課題を的確に捉え、安心してAIを利用できる社会の実現に貢献していきたいと考えています。
先進理化学専攻 生物学コース
奥山 登啓さん
私は現在、キイロショウジョウバエと呼ばれるモデル生物を用いて、多様性がいかにしてトレードオフを解決するかについて研究を行っています。トレードオフとは2つのことを同時に達成できない現象を指し、経済学や工学といった幅広い学問分野で研究がなされています。生物の世界においても数多くの例が報告されており、例えば餌をよく探す個体ほど捕食者に見つかりやすいといった採餌-警戒のトレードオフが挙げられます。私はこの種のトレードオフが、群れ内の多様性によって解決され得るという仮説を立て、その検証を行っております。
大学院先進科学プログラムでは、博士前期課程時に海外渡航支援事業と、さらに研究協力者に委嘱された場合は研究業務の対価として経費の支援があります。博士前期課程からの経済的支援があるプログラムは珍しく、充実したカリキュラムのもと、研究者として必要な素質を磨くことができます。「先進科学セミナー1」では、毎授業で異なる分野の先生をお招きし、最先端の技術や知識を学んだり、講師の先生の哲学に触れることができます。「海外渡航支援事業」では、インドネシアへの留学を支援して頂き、帰朝報告会にて発表の場も設けて下さいました。この報告会では、他の学生の留学体験も聞くことができ、先生方やプログラム在籍者からの多くの質疑応答もありました。異分野で同じく研究者を志す学生と会話することで、視野を広げるともに研究のモチベーションを高めることができます。論文の投稿が修了要件になっていることで、論文を執筆する習慣が自然と身に付くことも本プログラムの大きな魅力です。
将来は、行動生態学の領域で研究者になることを目指しています。現在の研究が、多様性を受け入れるより良い社会の実現に貢献できると信じて、これからも研究に励んで参ります。
先進理化学専攻 共生応用化学コース
佐藤 夏帆さん
最初は漠然と今の研究を続けたいなと思い、大学院先進科学プログラムの短期で学位を取得できる制度と、経済的支援に魅力を感じ参加を決めました。
実際参加してみると、「先進科学セミナー1」や「キャリアパスセミナー」でアカデミアや企業など、様々な分野で活躍されている方々のお話をうかがえる機会がありました。これは、現在目の前にある研究だけに集中するのではなく将来のキャリアについてより具体的に考えるきっかけになりました。
また、博士後期課程時に履修する「先進科学セミナー2」では、自分の研究紹介を行う機会がありました。そこでは同学年の大学院先進科学プログラム生の研究内容を知り、お互いの研究の関連性について話し合うことができました。更に、海外渡航支援事業報告会の交流会では専攻やコースの異なる大学院先進科学プログラム生とも分野を超えた交流や、同世代ならではの研究や就活の相談などができました。そして、博士前期課程時に利用した海外渡航支援事業では二か月にわたるインドネシア留学を支援していただき、設備、文化の異なる場所での研究は発見や学びも多く、ガジャマダ大学の学生さんとのつながりもできました。
現在私は、水溶液中の硝酸イオン吸着をする活性炭素繊維の開発を行っており、将来は水環境に関わる仕事に就きたいと考えております。
修了生からのメッセージ
先進理化学専攻 共生応用化学コース 2019年9月修了 山中 信敬さん
数学情報科学専攻 情報科学コース 2025年3月修了 小宮山 裕太郎さん
