大学院先進科学プログラム
Frontier Science Program for Graduate Student

参加学生の声

大学院先進科学プログラムに参加して

奥山 登啓さん
博士前期課程
先進理化学専攻 生物学コース
奥山 登啓さん

私は現在、キイロショウジョウバエと呼ばれるモデル生物を用いて、多様性がいかにしてトレードオフを解決するかについて研究を行っています。トレードオフとは2つのことを同時に達成できない現象を指し、経済学や工学といった幅広い学問分野で研究がなされています。生物の世界においても数多くの例が報告されており、例えば餌をよく探す個体ほど捕食者に見つかりやすいといった採餌-警戒のトレードオフが挙げられます。私はこの種のトレードオフが、群れ内の多様性によって解決され得るという仮説を立て、その検証を行っております。

大学院先進科学プログラムでは、博士前期課程時に海外渡航支援事業と、さらに研究協力者に委嘱された場合は研究業務の対価として経費の支援があります。博士前期課程からの経済的支援があるプログラムは珍しく、充実したカリキュラムのもと、研究者として必要な素質を磨くことができます。「先進科学セミナー1」では、毎授業で異なる分野の先生をお招きし、最先端の技術や知識を学んだり、講師の先生の哲学に触れることができます。「海外渡航支援事業」では、インドネシアへの留学を支援して頂き、帰朝報告会にて発表の場も設けて下さいました。この報告会では、他の学生の留学体験も聞くことができ、先生方やプログラム在籍者からの多くの質疑応答もありました。異分野で同じく研究者を志す学生と会話することで、視野を広げるともに研究のモチベーションを高めることができます。論文の投稿が修了要件になっていることで、論文を執筆する習慣が自然と身に付くことも本プログラムの大きな魅力です。

将来は、行動生態学の領域で研究者になることを目指しています。現在の研究が、多様性を受け入れるより良い社会の実現に貢献できると信じて、これからも研究に励んで参ります。

佐藤 夏帆さん
博士後期課程
先進理化学専攻 共生応用化学コース
佐藤 夏帆さん

最初は漠然と今の研究を続けたいなと思い、大学院先進科学プログラムの短期で学位を取得できる制度と、経済的支援に魅力を感じ参加を決めました。

実際参加してみると、「先進科学セミナー1」や「キャリアパスセミナー」でアカデミアや企業など、様々な分野で活躍されている方々のお話をうかがえる機会がありました。これは、現在目の前にある研究だけに集中するのではなく将来のキャリアについてより具体的に考えるきっかけになりました。

また、博士後期課程時に履修する「先進科学セミナー2」では、自分の研究紹介を行う機会がありました。そこでは同学年の大学院先進科学プログラム生の研究内容を知り、お互いの研究の関連性について話し合うことができました。更に、海外渡航支援事業報告会の交流会では専攻やコースの異なる大学院先進科学プログラム生とも分野を超えた交流や、同世代ならではの研究や就活の相談などができました。そして、博士前期課程時に利用した海外渡航支援事業では二か月にわたるインドネシア留学を支援していただき、設備、文化の異なる場所での研究は発見や学びも多く、ガジャマダ大学の学生さんとのつながりもできました。

現在私は、水溶液中の硝酸イオン吸着をする活性炭素繊維の開発を行っており、将来は水環境に関わる仕事に就きたいと考えております。

小宮山 裕太郎さん
博士後期課程
数学情報科学専攻 情報科学コース
小宮山 裕太郎さん

大学院先進科学プログラムの魅力は、博士課程の早期修了を目指せる点にあると思います。多くの人が博士課程進学を躊躇う理由の一つは、社会に出る年齢が遅くなってしまうからです。たしかに、普通に博士号を取得する場合、就職時の年齢は若くても27歳になります。一方で、大学院先進科学プログラムでは1年間早く博士号を取得することが可能です。つまり、修士課程プラス2年で最高学府の学位が取得できるということです。多浪時代の現代の日本では、1浪や2浪は当たり前になっています。同じ2年であれば、博士号取得のために費やしても良いのではないでしょうか?

博士課程では、自分の研究と向き合うためのまとまった時間を確保できます。ひたすら研究に打ち込み、試行錯誤を重ね、論文としてまとめ上げるという一連の経験は、一生ものの財産になると思います。20代の若く貴重な時間を自分のために注ぎ込むことができるのは、博士課程の特権だと感じます。もし、少しでも博士課程進学に興味があれば、早めに指導教員の先生に相談することをお勧めします。私自身、学部4年時に指導教員の先生に相談し、大学院先進科学プログラムの存在を教えていただいたことが、博士課程進学を決意する大きな決め手になりました。

私は残りの博士課程生活を謳歌しつつ、工学の研究者として今後も研究に打ち込んでいきたいと思っています。

修了生からのメッセージ

山中 信敬さん

先進理化学専攻 共生応用化学コース 2019年9月修了 山中 信敬さん

修了式の様子とメッセージはこちら

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